ご安全に。
某社の階段の安全対策には感動しました。
箇所に手すりと手すりを必ず持って昇降するよう注意喚起表示がありました。併せて、昇降方向が床面に矢印表示されており感心しました。
階段での転落災害は、日常生活を含めて最も多く発生する災害の一つです。
階段の災害対策としてリスクアセスメントすれば、最も有効策として階段を無くすことが一番です。ハード対策で階段を無くす改善できても、世の中の階段を全て無くすことは不可能です。
逆に別の個所では安心や慢心から別のリスクを発生させてしまいます。本質安全化を考える時、この部分が安全の悩ましいところです。
災害発生個所や転びやすい所は、ハード対策は当然に必要ですがそれだけでは万全ではありません。人間の五感に訴えるような表示と正しい知識が必要です。
階段昇降では、昇るときより降りる時が数倍危険で、最後の1段での失敗が大半です。これは人の目線によるもので、最後1段の目線は床面前方に移動しているから見落としてしまいます。更に床面に着地時は、無事に降りた安心感と平面を早く歩く姿勢になっています。降りたところが斜面や水分があれば滑ったり、小さなゴミで躓いたりします。
最初と最後の段およびその先の平面が重要です。それが理解できれば、おのずと対策も見えてきます。
D社では、階段昇降時は必ず手すりを持つことを安全文化としています。『東京駅で手すりを持って昇降している人を見かけたらインタビューしてください。我が社の社員です。』と言われたことが脳裏に焼き付いています。
たかが階段、されど階段です。甘く考えずに手すりを持って階段を昇降しましょう。
▽田中安全衛生コンサルタント事務所