ご安全に。
有機溶剤について話す機会をいただきました。
有機溶剤とは、物質を溶かす性質を持つ液体の化合物のことです。
1960年代に映画「ローマの休日」が大ヒットしました。映画のオードリーヘップバーンさんが履いていた靴が日本でも大流行しました。
その靴をヘップサンダルと言い、町工場で大量生産されました。
そしてヘップサンダル製造時に使うベンゼンで中毒になる「ヘップサンダル事件」が起こりました。
この事件から1972年に有機溶剤中毒予防規則制定となりました。
最近では、「胆管がん問題」です。これにより、有機溶剤の一部が特定化学物質になりました、
多くの事業所では、洗浄や塗装等に有機溶剤を使用されています。
この有機溶剤は、人間の皮膚等に付着した場合、脂肪を溶かして体内へ吸収します。
また蒸発しやすいので、呼吸器を通しても吸収され、中枢神経等へ作用します。
急性中毒や慢性中毒等の健康障害を引き起こします。
この有機溶剤中毒を予防するために、法律により様々な決め事が定められています。
有機溶剤作業主任者による作業方法の決定や作業者の指揮が決められています。局排装置等点検や保護具の使用状況監視等の職務もあります。
化学物質のリスクアセスメントを行いながらリスクを下げる必要もあります。
作業者へ有機溶剤の有害性やばく露の経路を把握させ、暴露されない対策が大切です。
リスクアセスメントと定期的な教育で有機溶剤中毒を無くしましょう。
▽タイトル「朝の側道」
▽田中安全衛生コンサルタント事務所